下手でも、どうにかなっています。

目次

1.魔法の言葉

2.分からない時にニヤニヤする生徒

 

1.魔法の言葉

 

 

英語講師と生徒を相手に事務員として働いていた時の話。
教材のコピー、生徒の悩み相談、いろいろな仕事がありました。

ある日、アメリカ人講師が怒った表情で私のところへやってきて、
英語をまくしたてます。

何を言っているのか、ほとんど意味不明です。

ぼーっと立っているだけでは講師に失礼なので、時々うなずきながら聞きます。
意味が分からないから「聞きます」ではないですね。
英語が「聞こえています」が正しい表現ですね。

どんな時にうなずくかにはコツがあります。
まずは、私にでも聞き取れた単語があったとき。
次は、相手の表情が変化したとき。
最後は、英語が一瞬途切れて間が空いたとき。

うなずくときは、時々「Yes」と合いの手を入れてみます。
相手が繰り返す単語が聞き取れたら、その単語を真似して言ってみます。

5分経ったでしょうか、10分経ったでしょうか。
そうこうしているうちに、講師が落ち着いてきます。
表情が穏やかになり、言葉がゆっくりになります。

私は講師に「Do not mind」と言ってみます。
すると講師はまた何かをしゃべりだします。

話が時切れたところで私は「No problem」と言ってみます。

講師はにっこりとして「Than you」と言ってくれます。
とてもいい表情ですよ。
人生の長年の悩みごとが解決した時のような表情です。
カウンターがない時は、ハグをされたこともあります。

この方法で5年間、「ノートラブル」でした。

「Yes」
「Do not mind」
「No problem」

この三つは魔法の言葉ですね。

とは言っても、雇用や勤務条件など契約に関する会話は、誤解が生じると大変なことになります。
「このことに触れる会話はしない」のが私の鉄則です。

 

2.分からない時にニヤニヤする生徒

 

 

英語講師の話です。

今回は、怒っているような悲しんでいるような微妙な表情でやってきました。

しばらく分からないまま、講師の話を聞いていました。
相変わらず10分の1くらいしか英語が聞き取れませんが。

私が英語下手だと気づくと講師は身振り手振りで話してくれますので、
講師が何を言いたいかが時間とともに少しずつ理解できてきます。

どうもこんなことを言いたいみたいです。

・教室で生徒に質問したら、ニヤニヤ笑っているだけで何も答えない。
・別の生徒も同じ表情だ。
・生徒は私に反抗している。
・腹立たしい。
・私の教え方は正しいと思う。
・それとも、私が間違っているのか?

私は講師に言い返します。

「I understand your trouble.」
うなずきながら言います。

「When students do not understand your question,
they do not have a troubled face,
Japanese students have a habit of laughing in troubled,
because it is a japanese tradition.」
時に学生の表情を真似ながら言います。

「So, they do not hate you.
You are right.」
にっこりと言います。

「If they laugh, please do not mind」
「Please forgive students」
と伝えました。

講師はホッとした表情になりました。
次回からは講師も生徒も安心した和やかな授業になることでしょう。